有限会社フレイム代表の渡邉社長は、2000年に本店をオープンして以来、家系ラーメン「わいず」を成長させ続けています。
社長は「わいず」を通じて、おいしいラーメンを提供するだけでなく、スタッフの育成にも力を注いできました。
その育成論と今後の展望について伺いました。
※本記事に記載しているメニューや価格は、2024年8月現在のものです。
人材と味を育てる秘訣
2000年に本店をオープンして以来、15年間店舗数を増やさなかった理由は何でしょうか?
最初の15年間は、店舗数を増やすことよりも、一つ一つの店舗で最高の味を提供することに集中しました。
多くのラーメン店が急速に拡大を目指す中で、私は品質を保つために時間をかけて熟練したスタッフを育てることが重要だと考えました。
店舗数を増やしていくことよりも「わいずの味」を作れる人を育成することにフォーカスしたんですね。
そうですね。
新しい店舗をオープンする際には、必ずその店舗で働くスタッフが十分に訓練され、私たちの味を忠実に再現できることを基準にしています。
しかし、熟練したスタッフを育てるのは簡単ではなく、完璧なタイミングで適切な人材を確保することが難しかったのです。
その結果、店舗の増加には時間がかかりましたが、これにより高い品質を維持することはできました。
スタッフの育成において、どのような取り組みを行っていますか?
ただ単においしい料理を作るだけでなく、スタッフ一人一人の能力を最大限に引き出すことが経営においてとても重要です。
私の目標は、スタッフが自分の役割を理解し、それを最大限に発揮できる環境を作ることです。
ラーメン屋のオープン時間は11時~が多いですが、わいずさんは本店も秋葉原店も10時半~ですよね。
この30分早くオープンさせているのは、どのような意味があるのでしょうか?
理由は2つあって、1つは他のお店がやっていない時間に営業することで、より多くのお客様に来ていただくこと。
2つめは、スタッフがもっと稼ぎたいという想いがあるので、オープン時間を早めてスタッフに還元しています。
スタッフと相談し30分営業を早めることで、より多くのお客様に来ていただきスタッフのお給料も上がるので、みんなが幸せになっているなと感じています。
また、新しいメニューの開発や既存メニューの改良については、スタッフからのフィードバックを積極的に取り入れています。
これにより、スタッフは自分の仕事に対して責任感を持ち、モチベーションを高く保つことができます。
わいずさんの強みは何ですか?
麺とスープの作り方ですね。
麺はちぢれのモチモチしたものを使用していて、スープはげんこつや鶏ガラも使用し、背脂などは使わずに肉の旨味を出しています。
ガラはかなり量が多く、一日に900kg使っています。
量が凄いですね(笑)
ちなみに、神田本店と秋葉原店の違いは何でしょう?
タレも麺も一緒なんですが、作り手によって変わってきますよね。
秋葉原は少しライトな感じで、スープが飲みやすいという声もあります。
ただ、本店の味のつもりで秋葉原に来ていただいたお客様もいらっしゃるので、最近は段々と本店の味に近づいてきています。
当店限定で豚そばや醤油ラーメンも提供しているので、お客様の好みに合わせて食べてほしいです。
特に豚そばは、わいずのスープに二郎系の醤油を合わせたハイブリッドになっているので、面白いですよ。
本当ですか、今日は豚そばをいただこうと思います!
グローバル展開と今後の展望
グローバル展開における成功の秘訣は何ですか?
グローバル展開における成功の秘訣は、現地の文化や顧客の嗜好を理解すること、そしてそれに対応する柔軟性です。
例えば、韓国では8店舗を展開できていますが、それは現地のスタッフが非常に優秀で、資金力もあり、やる気もあることが成功の大きな要因です。
韓国のパートナーは、私たちのラーメンを高く評価していて、さらに現地の味に合わせた工夫を加えることで、多くの顧客から支持を得ています。
韓国 景福宮店
やっぱり人が大事だということですね。
グローバル展開を進める中で、各国のパートナーと密接に連携し、現地のニーズに即したサービスを提供することが重要です。
今後も現地のパートナーと協力しながら、新しい市場に挑戦していきたいと考えています。
日本国内での今後の展望はありますか?
新橋や池袋などのエリアで直営店を増やすことを考えています。
新しい店舗では、醤油を効かせた家系のラーメンを提供し、既存の店舗との差別化を図りたいと思っています。
さらに、店舗のデザインやサービスにもこだわり、お客様により快適な食事を提供したいと考えています。
お客さんからスタッフになった方もいるとお聞きしました。
そうなんですよ。やっぱり嬉しいですよね(笑)
スタッフの育成にも力を入れて、将来独立したいというスタッフを応援したいです。
そのために、経営ノウハウや調理技術をしっかりと伝え、独立後もサポートを続けていくつもりです。
具体的には、独立を希望するスタッフに対しては、資金面やマーケティングの支援も行い、彼らが自信を持って新しい店舗を開業できるようにサポートしていきます。
最後にお聞きしたいのですが、人材はどういった人を探していますか?
実はこれまで人材募集を一回もしたことがありません。
ベトナム人のスタッフが帰国するときに人を連れてきてくれるんですよね。
なので人に困ったことがありません。
わいずさんで働いたスタッフが仕事の満足度が高いので、友人や日本で働きたい方に声をかけてくれるんですね。
そうなんです。
働く前の面談もほどんどなく、僕がお店に行ったらいつの間にか働いている人が増えていることもよくあります。(笑)
来る人は知り合いが多いので、面談をする必要がありません。
そこはやはり信頼感になります。
それは凄いですね(笑)
うちで働いてくれる人は20年とか、長く頑張ってくれる人が多いです。
お客さんから味を気に入って働いてくれる人もいるので、僕はそれが一番うれしく思います。
やっぱりこの味が好きではないと続けられないと思うんですよ。
わいずが好きだという方は、日本人も外国人も大歓迎です!
いかがだったでしょうか。
渡邉社長のラーメンやスタッフに対する熱量を強く感じることができる対談となりました。
今後も渡邉社長とラーメンわいずの挑戦がとても楽しみです。
引き続き、わいずのラーメンをすすっていきましょう。
神田ラーメンわいず 神田本店
千代田区内神田3-9-6 大熊ビル1階
営業時間
月曜日〜木曜日:10:30〜24:00
金曜日:10:30〜25:00
土曜日/祝日:10:30〜21:00
定休日
日曜日
秋葉原ラーメンわいず
東京都千代田区外神田3-7-9 サンビュー外神田1階
営業時間
火曜日〜日曜日:10:30〜22:00
月曜日:特別営業 10:00〜20:00 (特製醤油ラーメンとつけ麺のみ)
定休日
不定休
ホームページ
https://kandaramen-waizu.jp/
中華そば 喜富(ラーメンわいず系列店)
東京都豊島区北大塚2丁目14-8 林ビル1階
営業時間
月〜土曜日:11:00〜22:00
日曜日:11:00〜18:00(醤油そば・つけそばのみ)
定休日
不定休